「石破政権倒閣」を画策か? 総選挙で高市早苗一派に渦巻き始めた“ぬぐいきれない造反”の兆し



「造反の可能性が排除できない」

一方、石破首相と森山氏の懸念は別のところにもあった。森山氏は6日、日曜日にもかかわらず自民党本部で首相や小泉氏らと裏金議員への対応を詰めた際、首相に伝えたことがあった。

9月の党総裁選の決選投票で、わずかな差で総理・総裁の座を逃した高市早苗前経済安全保障担当相が「造反する可能性が排除できない」とする、近畿地方のある党県連からの情報だった。

裏金問題で強い逆風にさらされた今回の選挙では、自民、公明両党で何とか過半数を上回ったとしても、選挙後の特別国会における首相指名選挙で、一部の議員が棄権するか野党党首に投票すれば、石破首相は過半数を得られない。

実際に造反しなくても、そうした姿勢を見せることで「石破おろし」を仕掛けることができる。

情報は、公認問題で石破首相への反発を強めた高市氏らが、選挙結果次第ではまさにそうした行動に出るのではないかというものだった。

政府関係者によると、「類似の情報が公示後に内閣情報調査室からも上がってきた」という。

選挙戦では、全国の裏金候補から応援依頼が殺到している高市氏は、それこそ日本中を飛び回っている。

そうした高市氏と連携する形で、総裁選で高市氏を強力に支援した保守系の民間組織や団体が裏金候補を集中支援している、という情報であった。

「当選させて勢力を維持し、首相を揺さぶるためだろう。一部の候補は、あれだけ批判されたのに世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関わりのある人たちからも支援を受けている」(同)

一連の情報を裏付けるように、先の大規模調査では落選確実だった裏金候補のうち、組織的支援を受けたことが確認されている候補は、公示後の12〜14日に自民党が行った調査では「軒並み数字を上げてきた」(同)というのだ。