おススメはモノ、カネ、ヒトの順! がんと闘い続ける森永卓郎が「身辺整理」の心得と極意を伝授

森永卓郎(C)週刊実話Web
がんは幸せな病気だとしばしば言われる。

突然死することが少なく、病気が発覚してから命を落とすまでにタイムラグがあるため、身辺整理を進めることができるからだ。

私自身も、昨年11月に余命4カ月の宣告をされたが、幸いなことに今のところ何とか生き延びている。

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ただ、生死の危機を脱して小康状態を回復してからは、懸命に身辺整理を進めてきた。

その体験を『身辺整理』(興陽館)として上梓したので、エッセンスをご紹介したいと思う。

私が進めた身辺整理は、モノ、カネ、ヒトの順だった。最優先したのは、勤務する大学の研究室の断捨離だ。

それには理由があった。同僚の教授が突然亡くなり、その教授の奥さんが毎日大学に通って、苦労して研究室の片づけをしているのを見ていたからだ。

私は、まずゼミ生を研究室に招いて、欲しい書籍を全部持っていってもらった。

残った本や雑貨は、まとめて整理業者に処分を依頼したが、学生が本を引き取った後でも、廃棄量は2トントラックに山積みで、費用も10万円近くかかった。

次に行ったのが「カネ」の整理だ。10近くあった銀行口座を一本化するため片端から銀行を回って口座を解約したのだが、いまは支店窓口の予約を取ってから行かないと何時間も待たされる。

仕事との兼ね合いもあって結局、預金の一本化だけで3カ月以上の時間を費やした。