ロシアとの軍事同盟が後ろ盾 北朝鮮が南北連結道路爆破で韓国との全面戦争秒読みに



韓国大統領は「金政権の終焉」と発言

この道路の爆破で最も懸念されているのは、北朝鮮が正式に国境を要塞化するようなことになれば、陸に加え海の軍事境界線と称される北方限界線(NLL)での衝突も現実味を帯びてくること。陸と海で南北の軍が衝突すれば、それが第2次朝鮮戦争をも勃発させかねないからだ。

「しかもまずいのは、北朝鮮が敵意剥き出しなのに対して韓国側も決して穏やかに融和を図ろうという姿勢にないことです。10月1日の韓国の『国軍の日』の軍事パレードでは、米戦略爆撃機『B1B』や韓国軍が誇る8トンの弾頭を装着できる弾道ミサイル『玄武5』が登場しました。これは4.5トン級の超大型常用弾頭を装着した北朝鮮の新型戦術弾道ミサイル『火星砲-11タ-4.5』よりも2倍近い破壊力を持つ弾道ミサイルです。韓国軍は『玄武5』が20〜30個あれば平壌を焦土化できると豪語しており、尹大統領も『金正恩政権の終焉』を口にしているほど。さらに、バンカーバスターなので地下に潜る正恩氏さえ暗殺できるとまで言っているのです」(同)

もっとも、ここにきて北朝鮮が韓国に対して敵愾心を見せ始めた理由はこれだけではない。

実は、北朝鮮は10月3日に「アジア太平洋マネーロンダリング対策グループ」(APG)からオブザーバーの資格を剥奪されたことも、その一因であるとみられているのだ。

「APGは1997年に設立されたマネーロンダリング(資金洗浄)対策やテロ資金調達の防止、大量破壊兵器の拡散防止に関する国際基準を実施することを目的とした金融活動作業部会(FATF)のアジア太平洋部門です。北朝鮮は2014年に不法金融と闘う国際的な努力へのコミットメントを示すためにオブザーバーとしてAPGに参加したが、過去6年間もその義務を履行せず今回の資格剥奪に繋がった。しかし、APGから追放されたことでマネーロンダリングや仮想資産の窃盗、ロシアとの違法な金融ネットワークの構築などの違法金融活動を今後、より加速させるのではと懸念されている。この結びつきが『韓国憎し』を加速させたともみられているのです」(外交関係者)