北関東の某所に「トシをとらない」と評判の男性がいる。

清掃業を営む川田一郎（仮名）という人物で、戸籍上の年齢は65歳なのだが、20代の頃から見た目がほとんど変わっていないのだ。

川田氏の近所に住むA子さん（48歳）が証言する。

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「川田さんの見た目が20代の頃から変わっていないのは地元ではよく知られていることなんですけど、かと言って『20代に見える』わけではないんです」

――と言うと？

「川田さんは20代の頃から若白髪だったし、肌に張りもなくてしわも目立つタイプで実年齢よりだいぶ老けていたので、40代くらいに見えていたんですよ。今でも見た目は40代のままなので『トシをとらない』と評判なんです」

そう言って「これ、見てもらえます？」とA子さんが筆者に差し出したのは、40年前の夏祭りに撮影されたという1枚の写真だった。

当時8歳のA子さんを含む老若男女十数名が、お揃いの半被を着て神輿の前に並んでいる。

「後ろの列の端っこにいるのが25歳の川田さんです。川田さんはこの3カ月くらい前からこの地域で暮らし始めたんですけど、駐在さんが住民調査に行った時に免許証で年齢を確認しているので間違いありません」

無表情で覇気がまったく感じられないこともあるが、確かにこの写真の川田氏は40代くらいに見える。

「で、これが今年撮った写真です」

40年前と同じようなアングルだが、40年前は子供だったA子さんが娘さんやお孫さんと一緒に写っている。

「で、一番後ろの列の端っこにいるのが川田さん」

――え!?

40年前と同様に無表情で写っている川田氏の見た目は、40年前とまったく変わっていない。

半被のデザインが40年前と同じなら間違いなく合成写真を疑うほどだ。

いや、顔だけ40年前の写真を合成したのではないか？…そう思ってしまうくらい、写真に写る川田氏は外見が変わらないのだ。

「でしょう？ 川田さんだけ40年前から時間が止まっていますよね」