「僕ぐらいビッグになっちゃうと…」大バッシングの田原俊彦傲慢発言の裏に渦巻いていたジャニーズとの確執



忖度が“田原叩き”に

だが、メディアに対して田原が反発的な態度を取ったのは、このときが最初ではない。

デビュー以来7年連続で『NHK紅白歌合戦』に出場していた田原だったが、87年は主に俳優として活動していたこともあり、ヒット曲に恵まれず落選してしまう。

ところが、翌年に発売された『抱きしめてTONIGHT』がロングヒットとなり、再び紅白に選ばれると、田原は出場歌手の発表から間もなくして辞退を表明した。前年の落選に対する意趣返しである。

それこそ「身勝手」「スター気取り」と叩かれても仕方のない行為だったが、このときはNHKへの出演がしばらくなくなったものの、他の芸能マスコミが田原を叩くことはなかった。

それなのになぜ「僕はビッグ」という軽口が非難されたのか。

実のところ田原は、会見直後にジャニーズ事務所を退所し、完全独立することが決まっており、この事実がバッシングに大きく関係していた。

ジャニーズ事務所の後ろ盾がなくなったことで、芸能マスコミが田原を叩きやすくなった上、田原の独立に反対していた事務所に向けて、マスコミ側がゴマすりで“田原叩き”をしたという側面もあった。

また、事務所からの圧力もあったようで、田原は当時を振り返って「ジャニーズ帝国というのは、外に出ていく人間に対しては絶対的にNOなんですよ」などと話している。