プロ野球“24球団拡張”に突き進む石破政権と経団連&「ビズリーチ」


「ビズリーチ」創業者の南壮一郎氏(48=現在は持ち株会社ビジョナル社長)は個人資産だけで2000億円といわれ、MLB・ヤンキースの株主の1人でもある。

浜松北高校(静岡県)から米・マサチューセッツ州の名門タフツ大学に進み、卒業後はモルガン・スタンレー証券東京支社に入社。楽天会長の三木谷浩史氏とも親しく、2004年の球界再編時には、楽天球団の創業メンバーにも名を連ねるなど、球界事情に精通している。

「構想では、NPB各球団がビズリーチと契約を結び、期間限定でチーム内の選手の過不足部門を示す。戦力外通告を受けそうな選手、日本でのプレーを目指す海外の選手はスマホでアクセスし、データベースから移籍先を探し出してリクエスト。あとはビズリーチのスカウトを通じてアプローチする。経団連傘下の大手企業と同じやり方です」(経済誌記者)

球団誘致は地方創生の切り札

日本のプロ野球界はMLBに倣ってメジャー(一軍)とマイナー(二軍・三軍)の分離を検討している。

入手した情報によれば、当面は各球団が自身の二、三軍チームを一軍と分離し、傘下の新球団に再編して球団数を24に増やす。

その上で、マイナー球団の本拠地を地域の社会人野球企業、クラブと協働で全国に分散。最終形は東西南北の「4リーグ24球団」だ。

実際、くふうハヤテは巨人、オイシックス新潟はヤクルトとの関係を強め、小泉氏の地元・横須賀にある横浜DeNAのファームも分立に動くなど、水面下で構想は進行している。

石破首相が最優先課題に掲げるのが「地方創生2.0」。その象徴がプロ野球のエクスパンション、24球団への拡張だ。

安倍晋三首相(当時)と袂を分かち、要職から去った10年あまり、石破氏は全国津々浦々の市町村議会選に足を運び、自民党候補を応援。その際、訴えたのは地方創生の切り札としてのプロ野球の球団誘致で、それが今回の党員・党友票獲得につながったともいえる。

キャッチーなワンフレーズで話し、いかなるビジョンなのか判然としない小泉進次郎氏と違って、石破首相は理路整然と静かに語り、相手を説き伏せる力がある。

球団エクスパンション政策は、来季の参院選でも有力な武器となる。

今後も石破首相の地方創生戦略から目が離せない。

「週刊実話」10月17日号より