「話し相手がいないと退屈でしょう?」寂しさに付け込み独居老人の資産を狙う“エセ友達”の恐怖~高齢者友人トラブル(1)~

画像はAIで生成したイメージ
他人との交流が活発な人は長生きするというデータがあり、交流のない高齢者には「認知症の発症」や「孤独死」といったリスクがあると言われている。

身内よりも頼れて信用できる友人の存在は余生を充実させてくれるが、一歩間違えると騙されたり利用されたりして余生を台無しにされたりすることもあるから注意が必要だ。

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「本当にその通りなんですよねえ。まさかこんなことになるとは…」と目を伏せるのは友人に家屋敷を奪われ、現在は高齢者向けのマンションに暮らす康子さん(仮名・78歳)だ。

子供がいなかった康子さんは、10年前に夫に先立たれた後は不動産管理の仕事をしていた夫の遺産でひっそりと暮らしていたが、そんな康子さんに目をつけたのがA子(74歳)だった。

「A子は私のアパートの店子でした。管理会社にすべて任せているので、店子さんと直接交流することは滅多にないんですけど、A子は同世代で一人暮らしをしている私のことが何かと気になったみたいですね。人見知りで家に引きこもっていることが多かった私にとっては友人と呼べる貴重な存在でした」

A子は「話し相手がいないと退屈でしょう?」と康子さんの自宅に入り浸るようになり、手料理を差し入れたり、病院に付き添うなどして身内のように振る舞い始めた。

やがて「康子さんのことが心配だから、いっそここに住もうかしら」などと言い出し、康子さんが同意していないにも関わらず、さっさとアパートを解約すると押しかけるような形で康子さん宅で居候を始めたのだが、「そのうち、A子が自分の家のように振舞うようになった」という。