ヤクザの娘に生まれて…交際相手は消息不明、3人の子供を育てる20代のシンママが「けっこう幸せな人生」と語る理由

「反社の身内は雇えない」と解雇

美和さんは母親に娘を預けて工場で働き始めるが、半年後に同僚だった一回り年上の男性と交際を始め、再び妊娠する。

「彼はシングルマザーである私のことを『一生支えたい』とプロポーズしてくれたし、娘のことも可愛がってくれました。今度こそ幸せになれると思っていました」

だが、結局この男性も美和さんの父親の素性を知ると別れを言い出し、「中絶費用として」と20万円を美和さんに渡した後、工場を退職して行方不明になった。また、これがきっかけで「反社の身内は雇えない」と美和さんは工場を解雇されてしまったのだ。

「立て続けに何だよ!と思いましたけど、それはもうしょうがないことなので、気持ちを切り替えました」

そして美和さんは無事男児を出産。

「当時出稼ぎで福島にいた父には事後報告でした。『今度もお父さんがいないんだ』と言うと『そうか…』とだけ言って黙り込んじゃいました。きっと察したんでしょうね」

10代の若さで2人の子供を抱えることになった美和さんは「片親なのは仕方ないとしても子供たちには何不自由のない生活はさせてあげたい」とがむしゃらに働いた。

「ひたすらバイトを掛け持ちしました。コンビニとかビル掃除とか。私は幸い身体が大きくて力もあるので引っ越しのバイトとか肉体労働もやりましたよ」

時給の良さにひかれてキャバクラでも働いていた美和さんは、しばらくして客として来ていた男性・Aと親しくなるが、このAもまた「元ヤクザ」で奇遇にも勝さんの元舎弟だった。