高齢者婚活ブームで脚光を浴びる“婚前契約書”の赤裸々すぎる中身「相手が風俗業の場合のみ浮気は許可」~シルバー婚活事情(2)~

画像はAIで生成したイメージ
結婚後の生活や財産の扱いなどについての取り決めを事前に交わす「婚前契約書」。日本ではあまり馴染みがないが、高齢者の婚活においては非常に重視すべきものだという。

「婚姻は双方の意思に基づいて成立しますが、若い方のように愛情だけで突き進めないのが高齢者です。これまでに培ったものや余生を考えた時、若い方のように何度もやり直しができるわけではないので慎重にならざるを得ませんし、高齢者の婚活には多少なりとも打算が生じるのが当たり前です。トラブルを避けるためにも明文化する必要があります」(弁護士・Aさん)

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婚前契約書は内容を自由に決めることができ、双方の同意を得て作成されたもので、内容に違法性がなければ法的効力もあるという。

実際にこれを利用した人に、作成までの経緯や留意点について話を聞いてみた。

遠藤雅美さん(仮名・67歳)の場合。

「5年前、今の主人(70歳)と再婚を決めた時に心配したり反対したりする、互いの子供や親戚などを納得させるために作りました。生活については家事の分担とか、休日の過ごし方とか、それぞれの趣味やこだわりをどこまで尊重させるか、友人や身内との関係についてどこまで介入させるかなど、細かく決めました」

雅美さんは、もともと死別した夫が自己中心的な人で、彼女の意見や要望などは聞き入れないくせに、自分のやりたいことは事後承諾が当たり前だったそう。

「そんなものは常識だろう」とか「言わなくても察するのが妻の務めだ」などと主張して服従させられたので、今度ははっきりと意思表示をしようと思ったという。

「経済的なことに関しては、どちらが稼いできたものであっても『ふたりの生活費として使おう』と決めました。『夫婦になるのに契約書だなんて水臭い』と言う人もいましたけど、これまでの人生で『口約束ほどアテにならないものはない』ということが身に染みていますし、またそういう私の考え方を理解して、快く作成してくれる人でなければ結婚を考えるに値しないという判断もありました」