高齢者お見合いパーティーが花盛り シルバー世代の婚活キーワードは金・身体・家族の“3K”~シルバー婚活事情 (1)~

「女は灰になるまで女」

「家族というのはお互いの子供や身内のことです。係累と言い換えることもできますが、はっきり言うと、本人が亡くなった時に遺産相続の対象となる人間のことです。これは少ないに越したことはありません。なんなら天涯孤独でも良いくらいです。よく『子供がいるけど疎遠になっている』『親戚とはほとんど交流がない』なんておっしゃる方がいますが、そういう身内に限って横やりを入れてくることが少なくないんです」

中でも多いのは「金も手も出さないくせに口は出す」というパターンだとか。

「ただ、かと言って再婚を機に無理やり縁を切ろうとすると余計な反感を買いますので、係累がいる高齢者は財産などを生前贈与したり、何か問題が起きた時も『一切の保護や援助を求めない』などの念書を書いて、再婚への理解と協力を得る必要があります」

後々のトラブルを避けるためにも「再婚後は早めに遺言の準備をしておくのがおススメ」だそう。とどのつまりが、「経済力があって健康で身内が少ない」高齢者が勝ち組と言えるわけだが、これに該当しない場合は「負け組」になってしまうのだろうか?

「そうとは限りません。中には性格とか人柄で成婚に至る方もいることはいます。『この人とだったら一緒に苦労しても良い』とか『支えてあげたい・守ってあげたい』と相手に思わせることができれば愛や情で結びつく可能性があるからです」

また、これ以外にも裏ワザ的なアピールポイントも存在するという。

「『性的に現役である』ということですね。よく『女は灰になるまで女』と言われますが、それは男性も同じです。『性的に満たされた余生』を最優先する人にとって、これは魅力です。実際に資産家の美魔女をゲットした『逆玉おじいさん』も存在するほどです」

結婚相談所などの婚活現場では「婚前交渉」を禁じているところも多いが、高齢者婚活の場合は「自己責任」になっているのが現状らしい。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。