北朝鮮が“ロシアの一自治共和国”に鞍替えか 中国が金正恩総書記の「愛用密輸品」差し押さえで冷戦勃発

北は「正恩氏専用品だけでも返してほしい」と要請

「欧州からの高級品を中国経由で北朝鮮入りさせる密輸品の中には、通称『1号物品』と呼ばれる正恩氏が直接使用するぜいたく品や、嗜好品などの『金正恩専用品』が含まれ、北朝鮮側は『最高指導者(金正恩)同志が使用する物品だけでも返してほしい』と要請したそうですが、中国側は断固として拒否した模様。それが事実なら、いかなる例外も認めないという中国側の意思表示であり、警告でもあるということです」(同)

現在も北朝鮮の対外貿易は90%以上を中国に依存しているため、敵国の韓国に対するような報復措置に出るわけにもいかない。状況打開のため、北朝鮮は必死になって新たな密輸ルートとしてロシア経由の確保に務めているようだ。

プーチン大統領の側近であるロシア国家安全保障会議のセルゲイ・ショイグ書記が9月13日、北朝鮮を電撃訪問した。

「ショイグ書記は、ウクライナ戦争真っ只中の国防相時代の昨年7月に訪朝。このときは北朝鮮が『戦勝記念日』と称す7月27日の朝鮮戦争停戦協定70周年の祝賀行事への出席という大義名分があったが、今回はそれがない。しかも、正恩氏は自分の車にショイグ氏を乗せ、平壌空港まで送迎しています。
先代も含め北朝鮮の指導者が大統領でもない外国の要人と1日に2度も会うことも、空港まで見送ったことも、かつて一度もありません。この極めて異例な厚遇は、北朝鮮にとってショイグ氏訪朝がいかに重要であったかを物語っています」(外交関係者)

ちなみに、ショイグ氏は側近が汚職容疑で次々と拘束されているが、これはウクライナ侵攻の失敗を軍に押し付けようとするロシア治安当局の意向が働いているともっぱら。

ただ、ロシア国内で政治的基盤が揺らぎだした要人でさえ頼らざるを得ないのが、北朝鮮の実情なのだ。

9月19日、北朝鮮メディアはミサイル総局が4.5トン級の超大型弾頭を搭載した新型戦術弾道ミサイル『火星11タ4・5』と改良型の戦略巡航ミサイルの発射実験に成功したと伝えたが、同国が袋小路に追い込まれつつあることは間違いない。

「週刊実話」10月10日号より