北朝鮮が“ロシアの一自治共和国”に鞍替えか 中国が金正恩総書記の「愛用密輸品」差し押さえで冷戦勃発

北朝鮮とロシアの戦略パートナーシップに中国が激怒

今年7月11日、平壌の中国大使館で中朝友好協力相互援助条約の調印63周年を記念するレセプションが開催された。

中国大使館の発表によると、北朝鮮側からの主な参加者は最高人民会議の朝中友好議員団委員長を務める金日成総合大学の総長のみ。党・政府対外部門の幹部は全く参加していない。

「一方で中国に駐在する北朝鮮の外交官らが、7月31日に開かれた中国の建軍97周年レセプションに参加せず、また北朝鮮の建国記念日(9・9節)の記念行事に、中国の王亜軍駐朝大使が休暇を理由に出席しませんでした。北朝鮮が毎年記念してきた最大行事が開かれる時期に、王大使があえて任地を空けて個人休暇を取ったこと自体が尋常ではありません」(同)

中朝両国の関係が冷え込んだ最大の理由は、北朝鮮が6月にロシアのプーチン大統領との間で包括的戦略パートナーシップ条約を締結したことに中国が怒っているからだ。

逆に最近、中国公安部が中朝国境地域での北朝鮮の密輸行為に対する取り締まりを強化していることが、北朝鮮の怒りを増幅させた。

「中国は密輸業者を逮捕するだけではなく、対北朝鮮物資供給担当者も拘束。過去に遡って密輸業者の金の流れを追跡し関連口座を凍結するなど、徹底した取り締まり強化に乗り出しています。未確認ながら、押収品の中には正恩氏が進める偵察衛星に欠かせない部品や軍需品などの重要物資も含まれているとか。この取り締まり強化が原因で、今年の軍事偵察衛星発射計画が縮小・延期されたという情報まである」(同)

5月27日に軍事偵察衛星打ち上げ失敗後、次の動きを見せていないのは、物資押収が原因である可能性が高いのだ。