蝶野正洋が『24時間テレビ』批判と兵庫県知事のパワハラ問題に巣くう“悪意”を指摘!

パワハラ問題も事情や言い分が一方通行

兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑にも、それを感じる。百条委員会(地方自治体の事務に問題が発覚した際、事実関係を調査するために設置される委員会)による証人尋問でさまざまな問題行動を詰められている報道を見たけど、中にはちょっと違うんじゃないかという内容もあった。

斎藤知事は部下に対して厳しく叱責するタイプで、それで部下たちから反感を買っているというのも伝わってくる。ただ、なんでもかんでもパワハラと決めつけるのもどうかと思うんだよ。

知事が公用車で県立考古博物館を訪れた際に、玄関前に車を横付けできず、施設の手前で降りて20メートルほど歩かされたことに激怒して、職員を怒鳴り散らしたという件が取り上げられていた。

内容をよく確認すると、施設の玄関前に職員2人が立っていたから、知事はそこまで車で行けると思っていたのに、その前で降ろされて歩いたことに疑問を持って職員を問い質したという。この場合、職員は知事が車を降りる場所で出迎えるのが礼儀だと思うし、そうすれば問題は起きなかったんじゃないか。

俺も(アントニオ)猪木さんの付き人をやってるとき、入り口に横付けできない場所なんてたくさんあって、そういうときは車の側まで行って出迎えるというのが基本だったよ。

それぞれの事情や言い分があるのは分かるけど、それがお互いに一方通行。知事はパワハラ気質だと思うけど、職員や告発してる側も意地悪だよ。

揚げ足の取り合いみたいな状態になっていて、嫌いな先生を生徒たちが示し合わせてイジメているようにも映る。そんな程度の低いやり合いをするのは、本当に時間の無駄。知事を変えるんだったら職員も変えたほうがいい。

最近の日本は、本質からズレたことでモメ続ける人が多い気がする。どうすれば解決できるのかということを意識して、建設的に物事を進めてほしいね。

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。