“落語界の高嶋ちさ子”三遊亭あら馬が難病、結婚、セクハラ、艶噺を語る「私、落語家にしては綺麗なんで(笑)」

リハビリ代わりの落語にハマりアラフォーで入門

三遊亭あら馬(C)週刊実話web
――なかなか落語との接点が見えてきませんね? 

あら馬「ここからです(笑)。夫は転勤族なので新婚時代は名古屋でしたが、そのときに父が亡くなったんです。父とは生前、『東京に家を建ててやる』という約束をしていて、じゃあ遺産で建てようと。夫は名古屋に置き、子供たちだけ連れて住み始めました。
東京で暮らすと、また芸能への思いが沸々と湧いてきて、アナウンサー時代の事務所の門を叩いたんです。まずはアナウンス教室に通うつもりでした。そこで『落語教室もやってるから、リハビリ代わりにやってみないか』と言われ、落語と出会ったんです。33歳でした」

――それまで、落語に対する知識は?

あら馬「ゼロです。ただ、アナウンサー時代は放送禁止用語があったりして不自由さを感じていましたが、落語にはそれがなく自由に演じられるところに魅力を感じたんですね。そこで、講師に来ていた三遊亭とん馬に勇んで弟子入りを志願したところ、断られまして…。
弟子は取ってない、という理由でした。そこから6年ほど、落語教室に通いながら主婦兼天狗連(アマチュアの芸人たちのこと)として活動していました。40歳寸前でようやく入門を許されたんです」

成人の娘を持つあら馬。子育て期、PTAでも頭角を現す。「前時代的なやり方に腹が立って」誰もやりたがらないPTA会長に自ら立候補。任意を訴え、PTA退会届を導入。旧態依然とした体質を改善したという。2019年、杉並区立小学校PTA連合協議会の会長も務める。なお、2021年には生体肝移植を受けている。

――聞けば聞くほど、すごいバイタリティーですね。PTA会長時代はすでに落語家になっていたわけですから、式典などの祝辞もウケまくっていたのでは?

あら馬「実は小学校5年の国語の教科書に落語が出てくるのですが、そもそも落語を知らない児童が多いので、娘達が卒業した今も読み聞かせボランティアをしているんですが、私が落語口調で真面目に祝辞をするだけで児童にはウケますね。感動の卒業式ではなくなる気がしますが」