30年前に“言葉狩り”へ反発 SNS社会にも通じる筒井康隆の名言「あたしゃ、キれました。プッツンします」
閉鎖的な文壇に強烈な皮肉
筒井がそんな風潮に反発するかのごとく、冗談半分ながら「小学生時代の知能テストでIQ187だった」などとうそぶいてみせると、筒井ほどのヒット作に恵まれない作家や出版関係者たちは、「SFなど低俗なものを書いているくせに」と嫉妬まじりの反発を見せたものだった。
また、筒井は直木賞を受賞できなかったこと自体をパロディ化した小説『大いなる助走』を発表。賞の選考委員たちを明らかにモデルが分かるように描写し、彼らを作中で殺して回るという、強烈な皮肉を放ってみせた。
そうした経緯から、既成の作家たちによる筒井擁護の声が少なかったのもやむを得ないところではあったが、それでも作品が検閲されるような事態には抵抗すべきというのが筒井の本心だったろう。
結局、断筆は3年3カ月に及んだが、出版社との間で「筒井の意に反した用語の改変は行わない」「作品の用語に関して抗議があった場合、出版社と筒井が協議して対処する」「抗議に関して対話や文書の往来が必要となった場合は、出版社が責任をもって仲介し、その内容を公表する」などの覚書を交わして断筆を解除した。
その後、筒井が書いたものに対して出版社側から修正を求められることは、ほぼなくなったという。
「何を書いても筒井康隆ならば許すという作家になりたい」との旨を今もなお意気軒高に語る筒井は、コンプライアンスだなんだと口うるさい昨今の言論状況を、いったいどのように見ているのだろうか。
文/脇本深八
筒井康隆(つつい・やすたか)
1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒業後、1960年に同人誌『NULL(ヌル)』を創刊し、江戸川乱歩に認められて創作活動に入る。1965年に初の作品集『東海道戦争』を刊行。以後は『時をかける少女』『アフリカの爆弾』『家族八景』『虚人たち』『虚航船団』『文学部唯野教授』『朝のガスパール』など数多くの話題作を発表する。
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