“ドラレコの功罪”交通事故の動画で車が運転できなくなった40代女性~生活や人生を脅かすネット恐怖症(1)~

画像はAIで生成したイメージ
ドライブレコーダーの普及によって走行中の様子を容易に記録することが可能になった現在、ネット上には交通事故の瞬間を撮影した動画が氾濫しており、半田麻衣子さん(仮名・41歳)は「ネットで交通事故の動画を観るようになってから、車の運転ができなくなりました」と話す。

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麻衣子さんは運転歴20年以上ながら、無事故無違反のセーフティドライバー。

「心の中で常に『車は走る凶器である』という意識があったし、子供を乗せて走ることも多かったので、交通事故を起こすことが一番恐怖だったのです」

そんな麻衣子さんが交通事故の動画を視聴するようになったのは、自分自身に対する注意喚起のためだったという。

「運転免許更新の際などに交通事故関連のビデオを見せられるじゃないですか? あんな感じです」

ところが、人一倍交通事故を恐れていた麻衣子さんにとって、リアル過ぎる事故動画は精神に悪影響を及ぼした。

「まず、高速道路を走れなくなりました。スピードが出ている分、高速道路上の事故って悲惨ですよね。特に軽自動車が大型車に前後を挟まれてぺっちゃんこになった、という動画を観た時は息ができなくなるくらいのショックでした。この事故を教訓に愛車の軽をコンパクトカーに乗り換えたり、車間距離を取るようにしたのですが、やはり怖くて無理でした」

高速道路を使えなくなった麻衣子さんは必然的に遠出できなくなり、地元を走る回るだけになるのだが、それでも交通事故の恐怖が頭から消えない。

「信号無視や一時停止違反をした車が、追突される動画を思い出してしまうのです。そのせいで信号が青に変わってもすぐには発進できませんし、一時停止や信号のない交差点を進む時なども何十回と左右を確認しても、怖くて走り出せません。前から車が向って来るのが怖いので右折もできません。遠回りになっても左折だけで目的地に行くようにしていました。スピードを出すのが怖いので常に30キロくらいで走っているのですが、そうすると煽られたり、クラクションを鳴らされたり、追い抜きざまに睨まれたりして結局怖い思いをすることになるのです」