イジメ“加害者”家族の壮絶な運命…当事者の弟は消息不明 それでも帰りを待つ姉「いつか再会した時に渡せるように…」

画像はAIで生成したイメージ
「父は自殺で母は病死。弟(仮にAとする)は消息不明で親戚とも絶縁しています。天涯孤独みたいなものですね」

そう話すのは臨床心理士として働く成島香織さん(仮名・36歳)。彼女は「イジメ加害者」の家族だった。

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「当時高校生だった弟は同じ学校の子をイジメて自殺に追いやりました。被害にあった子(仮にBとする)は、弟の幼馴染で小さい頃から仲が良かったのですが、高校進学後に弟が悪いグループに入ってから関係がおかしくなったのです」

素行不良で問題児となったA君を心配していたというB君は、なにかにつけA君に「悪い仲間と縁を切るように」と伝えていたそうだが、A君は「うざい」の一点張りだった。

そんなA君たちの悪事をB君が学校に密告したことがきっかけで、イジメの標的になったという。

「イジメの内容は陰湿で悪質なものでした。さすがの弟も途中で腰がひけたようなのですが、仲間の手前、後に引けなかったのでしょうね。なんだかんだ言って弟のことを信じていたB君は最後まで弟に助けを求めていたのに、結局裏切られて絶望したみたいです」

B君の自殺後、成島さん一家は世間からの誹謗中傷にさらされた。

「遺書に実名が書かれていたのが弟だけだったのです。それで弟や家族に非難が集中しました。今ほどではないですが、SNSも発達していたので、その影響も大きかったです。商売をやっていた父方の親戚は風評被害のため、廃業に追い込まれました」

責任を感じた父親は自殺。生命保険金は父親の遺言通り、その親戚に渡されたという。

「B君への賠償金は自宅や車を売って半分工面しました。その後、私たちは地元を離れて遠くの町に移り住みましたが、残りの賠償金を支払うために無理をしていた母はクモ膜下出血で急死し、ショックを受けた弟は母の位牌を持ったまま行方不明になりました」