「新NISAを始めた人は今すぐ解約すべき!」森永卓郎が予測する“株価9割下落”の可能性

株価暴落はバブル崩壊の入り口

私はメディアの取材に対して、(1)今回の暴落はバブル崩壊の入り口で日経平均は9割下落の可能性がある、(2)まだ傷の浅い現段階で投資から手を引き、(3)二度と新NISAに手を出してはならないというコメントをした。

ところが、私のコメントは軒並みボツになった。代わりに報じられたのは、(1)株価下落に動揺して損切りするのは最悪の戦略、(2)株価は必ず右肩上がりに戻る、(3)そのため分散、長期、積立の投資戦略を続けるべきだという金融村の住人たちのコメントばかりだった。

もちろん、未来のことは誰にも分からないから、彼らの見立てが正しい可能性もある。

しかし、メディアの役割は異なる見方を紹介することだ。なぜ、メディアが偏向報道をしたのかと言えば、彼らにとって金融業界が最大の広告主の一つだからだろう。

私は、日経平均株価が継続的に下落傾向に陥ることは、間違いないと確信している。それは、アベノミクスを否定したいという欲求だけに基づいて、景気が悪いのに財政と金融を引き締めるという逆噴射政策を採る国の経済に、未来はないからだ。

だから前回の繰り返しになるが、株価が下がったからといって今から株式投資に参入するのは、最悪の選択だ。すでに新NISAを始めてしまった人は、今すぐ解約すべきだろう。特に老後資金を投資に回している人は、取り返しのつかない損失を被ることになる可能性が高い。

これから、世界景気が後退するなかで、これまで続いてきたエブリシング・バブルが崩壊するから、株だけではなく、不動産や暗号資産などあらゆる資産価格が長期下落に陥る。値下がりしないのは、現金と預金と借金だけなのだ。