「新NISAを始めた人は今すぐ解約すべき!」森永卓郎が予測する“株価9割下落”の可能性

森永卓郎 (C)週刊実話Web
8月5日、日経平均株価の終値が、前日比4451円安の3万1458円と、過去最大の下落を記録した。

その原因として多くのメディアが報じたのは、(1)アメリカの失業率が2割増加し、製造業の景況感も悪化するという景気減速懸念、(2)世界株高を牽引してきた半導体をはじめとするハイテク株への期待喪失、(3)足元の円高進行の3つだ。

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それは間違いないが、直接の引き金となったのは、7月31日の日銀の利上げ発表だ。欧米が景気後退で利下げに向かうなかで、日本だけが利上げするのは自爆テロに近い。にもかかわらず、なぜ、日銀の植田和男総裁は利上げを決めたのか。

私は金融業界から圧力があったのだと思う。

アベノミクスのゼロ金利政策は、銀行を犠牲にして、株高と景気回復を目指す政策だった。金利がゼロだと、銀行は利ザヤが抜けない。

一方、今回の0.25%の利上げも貸出金利にはすべて転嫁されるものの、預金金利は0.1%の引き上げにとどまる。銀行業界は丸儲けだ。

日銀も安倍政権時代に軒並みリフレ派の審議委員が登用され、銀行業界と二人三脚で歩んできた学者たちは冷や飯を食うことになった。

そのときの恨みを晴らそうと、彼らはアベノミクスの完全否定に走っている。それが「金融の正常化」という名の利上げだったのだ。

しかし、株価の暴落は彼らの理論の間違いを図らずも証明してしまった。結局、日銀は内田眞一副総裁が、今後の利上げ凍結を表明せざるを得なくなった。

ただ、もっと問題なのは、評論家とメディアだ。本稿でも指摘したように、今後の株価は大暴落の可能性を孕んでいる。