巨人「築地スタジアム」本拠地移転に暗雲 女子サッカーW杯誘致へ


実は、築地スタジアムのこけら落としには2002年以来2度目となる「男子W杯日本招致」も検討されたが、簡単には話が進まなかった。FIFAは、男子W杯開催は「大陸の持ち回り」を原則としている。 

つまり、前回2022年大会の開催国がアジアのカタールだったため、次にアジアに立候補権が回るのは2034年、その次は2046年となる。 

実際、2026年は北中米のアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国の共同開催。2030年も欧州・アフリカのスペイン、ポルトガル、モロッコの3カ国共催が、すでに決まっている。 

アジアに立候補権が戻る2034年大会は、すでにサウジアラビアが内定。日本は2046年の招致に目標を切り替えざるを得ない状況だ。 

巨人も助かる2035年の女子W杯東京大会 

「惜しむらくは、築地スタジアム建設の発表が今年4月と少し遅かった。東京都知事選へ向けた小池百合子氏の隠し球とはいえ、もう2年早ければ…。そこで打ち出した次善の策が女子W杯招致。招致費用も男子の10分の1、政府も応援している」(国会議員秘書) 

女子W杯東京大会が2035年なら東京ドーム(1988年開業)の建て替え問題を抱える巨人も助かる。

築地スタジアムを2032年から3年だけ借用。その間に東京ドームを取り壊し、跡地に新東京ドームを建設することができるからだ。「ただ、これは読売グループにとって大誤算。巨人は本拠地を築地に完全に移し、新東京ドームはウェンブリー(英ロンドン)級のサッカー専用スタジアムにする計画だったと聞く。しかし、小池都知事が横恋慕して先に築地スタジアムをサッカー仕様に。もっとも、双方のスタジアム建設計画を主導するのが、三井不動産と読売新聞グループ。裏では握っているのでしょうが…」(同) 

大まかながら、築地市場跡地再開発の全容が見えてきた。