トランプ氏、銃撃を察知していた可能性 パリ五輪「視察中止」もテロを警戒しての判断か

フランス軍も動員した警備

フランス治安当局も、ただ傍観しているだけではない。外国からの応援を含む警察官4万5000人を動員して警備に当たり、さらにフランス軍も動員するという。

「大会期間中に兵士約5000人がパリに常駐する。有事の際は各部隊に判断する権利が与えられ、対応することができるそうです。また、フランス全土では約1万5000人の兵士に臨戦態勢動員令が下される。まさに戒厳令下での五輪開催といっても過言ではない」(外信部記者)

 フランス治安当局がここまでの警備態勢を敷く理由は、五輪開催中に集まる選手や観客の人数が莫大な数になるからだ。

「100年ぶりにパリで開催される五輪には1万500人の選手が参加する。ベルサイユ宮殿やコンコルド広場など世界的な観光名所が競技会場になるため、欧州連合(EU)はパリ五輪開催中に約1500万人が観戦に訪れると発表しているほどです」(同)

治安当局関係者が最も懸念しているのが、1972年ミュンヘン五輪(西ドイツ)の悪夢の再現だ。

「イスラエルの選手ら12人が、パレスチナ武装組織『黒い9月』メンバー8人に殺害されたテロ事件です。現在もイスラエルは、ガザ地区やイランのイスラム革命防衛隊(IRGC)に攻撃を仕掛け、シリアも参戦するなど戦争は泥沼化していますからね」(同)