「こんなことで自民党が良くなると思ってんのか!」暴言、失言、トラブルの宝庫 国会の暴れん坊・浜田幸一が心掛けた“ヤジ三原則”

庶民に好かれた“暴れん坊”

政界引退後はテレビドラマやバラエティー、CMに出演するなどタレントとしても大活躍。お堅いニュースにおいて、浜田のように粗暴なタイプはとかく批判されがちだったが、逆に庶民からの人気は高かったことの証左であろう。

実際、議員時代も浜田の出席する国会中継は、ひときわ注目されていたともいわれる。

 現職の頃から自身の経歴について「千葉でヤクザをしていた」と公言しており、特定の組織に所属していたかについては不明な点もあるのだが、ともかくさまざまな非行を重ねていた。

24歳の頃には傷害事件を起こして逮捕され、懲役1年の実刑判決を受けている。

 出所後、世話になっていた親分が死んだため、上位組織の会長に相談したところ、政界のフィクサーである児玉誉士夫を紹介されて政治の道へ進んだという。

 今の時代、浜田のような歯に衣着せぬ物言いをする人間はすぐ袋だたきにされ、政治生命を絶たれることになる。

だが、長期政権を維持した首相(佐藤栄作)に向かって、「支持したのは今日までだ! 明日からは違うぞ!」といった発言をする政治家が、一人ぐらいはいてもいい…というのは昭和的思考だろうか。
(文=脇本深八)

浜田幸一(はまだ・こういち)

1928年9月5日生まれ~2012年8月5日没。千葉県出身。69年に自民党から旧千葉3区に立候補して初当選し、衆議院議員(通算7回当選)となる。73年に中川一郎、石原慎太郎らと政策集団「青嵐会」を結成。衆議院予算委員長、自民党広報委員長や党副幹事長などを歴任したが、国務大臣の経験がないまま政界を引退した。