「南海トラフ巨大地震」猛暑の真夏に起これば想定以上の死者数に

避難先で水害に襲われる

さらに、今夏は殺人的な暑さが続くと予測されている。

その原因の一つが、日本列島上空を覆う太平洋高気圧の上に、中国大陸から張り出したチベット高気圧が重なる「ダブル高気圧」と呼ばれる現象だ。

これは猛暑をもたらす典型的な気圧配置で、殺人的な暑さで熱中症患者が急増しているのはダブル高気圧の影響とされる。

「これからの時期に南海トラフ地震が起これば、想定以上の死者数になるのは間違いない。運よく本震で生き延びることができたとしても、停電が長引けば避難所は灼熱地獄になる」(災害取材を担当する記者)

しかも、気象庁は今夏の西日本の降水量を「平年並みか平年より多い」と予想。梅雨明け後もゲリラ雷雨などの発生に注意を呼びかけている。

「2018年には西日本豪雨に見舞われた。15個もの線状降水帯が発生し、記録的な大雨と川の氾濫、土砂災害などで多くの死者を出した。南海トラフ地震が発生し、多くの人が逃げ込んだ避難先を水害や土砂崩れが襲う最悪のケースも想定しておくべきです」(同)

日本海側でも能登半島地震が起こった今、日本列島に逃げ場はない。