大の里「大関昇進」に立ちはだかる“3つの壁” 名古屋場所連覇で史上最速昇進を目指すも…

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真夏の熱闘、名古屋場所(7月14日初日、名古屋市ドルフィンズアリーナ)が目前となり、力士たちの稽古も追い込みに入っている。

その中でも、一段と熱が入っているのが先場所、史上最速優勝をやってのけた新関脇の大の里(24、二所ノ関)だ。

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連覇すれば、これまた史上最速(年6場所になった昭和33年以降)での大関昇進の道が開けるだけに、「しっかり準備し、悔いのない成績を残したい」と連日気合いが入っている。

7日には出身地の石川県・津幡町で優勝パレードが行われたが、「時間がもったいない」と名古屋市内から日帰りで里帰りするなど、名古屋場所に向けて準備は着々。

そんな大の里の大関取りに立ちはだかるのが“3つの壁”だといわれている。

稽古相手不足に陥った“分家後遺症”


(1)豊昇龍の壁:先場所も右四つ、左から出ようとしたところを下手投げで豪快に叩きつけられた。これで3戦3敗。先輩の意地を見せつけた豊昇龍は、「気分がいい。(下から上がってきた力士には)三役、大関が強さを見せないといけない」と、ご機嫌だった。

 当然、今場所も手ぐすね引いて待ち受けているし、大の里には手ごわい存在だ。

(2)稽古相手不足の壁:6月初め、中村親方(元関脇嘉風)と友風、嘉陽ら、8力士が分家独立し、残った稽古相手は四つ相撲の十両の白熊だけになった。

 大の里にとって押し相撲の友風や嘉陽らが抜けたのは痛い。このため、師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が、まわしを締めて胸を貸したりしているが、どこまでこの穴を埋められるか。精神面も含め、“分家後遺症”が心配だ。

(3)師匠の壁:大の里にとって、二所ノ関親方は絶対的な存在。先場所も「優勝しても喜ぶな」と厳命され、必死にそれを守ろうとした姿が印象的だった。

 その師匠は、「(先場所の)12勝の優勝は優勝じゃない」と評し、今場所はさらなる好成績を求めている。厳しい言葉の数々は期待の表れだが、それにどこまで応えることができるのか。

 大の里にとって名古屋場所はまさに正念場。この3つの壁が、また賜杯を抱けるかどうかのカギになる。