「蓮舫惨敗」で麻生VS菅の“自民党キングメーカー抗争”が激化!

麻生軍では“内紛”も勃発


こうした菅軍の攻勢に対して劣勢に立たされているのが麻生軍だ。

 キングメーカーを気取る麻生氏は岸田首相と会食を重ね、総裁選出馬に向けた支援を求められており、基本的には今も岸田首相を支えている。

ところが、内閣支持率がどうにも上がらないため、最終的に誰を支援するか決断しかねており、その迷いが思わぬ“内紛”も招いているという。

 ポスト岸田候補の1人、茂木敏充幹事長が「岸田おろし」を仕掛け始めたと評判になっているからだ。

 6月20日に茂木派の津島淳衆院議員が、国会内で開かれた党代議士会に岸田首相が出席していないことを問題視。改正政治資金規正法をめぐる党内の不満を念頭に、こう批判した。

「首相がこの場に来て『皆さんに釈明したい。さまざまなご苦労をねぎらいたい』という思いを発するべきだ」

また、2日後には同じ茂木派の東国幹衆院議員が、北海道旭川市の会合で「岸田首相はゆめゆめ『総裁再選』などと軽々しく口にせず、思いとどまってほしい」と訴えたのだ。

前述した通り、これら議員はいずれも茂木派のため、党内からは「茂木氏が言わせているとしか思えない」との声がしきり。少なくとも同氏が諫めることなく放置しているのは明らかで、麻生軍内に大きな亀裂が生じているのである。

「麻生氏は、人望のなさに加え世論調査のポスト岸田の支持率が1%にも満たない茂木氏を推す気はほとんどない。いざとなったら岸田派の上川陽子外相を担ぎ上げようと考えていたが、その上川氏は静岡県知事選における応援演説で女性蔑視とも取れる発言をして大失速。こうした先行きの不透明さが内紛を助長しているのです」(自民党幹部)

菅軍の功勢に加え、自軍の足並みも乱れ始めた麻生氏は当面、岸田首相を支えるしかないが「内閣総辞職は時間の問題。いつ退陣してもおかしくない」との見方も強い。

そうなった場合、麻生氏は一体誰を擁立するのか。

キングメーカーの座から陥落する日が、刻一刻と近づきつつあるようだ。