「蓮舫惨敗」で麻生VS菅の“自民党キングメーカー抗争”が激化!

「進次郎はどうだ?」


近頃は親しい議員にこう漏らし、感触を探っているという。

「(次期総裁に)進次郎はどうだ」

ここで言う「進次郎」とは無論、菅氏と同じ神奈川県連に所属する子飼いの小泉進次郎元環境相のことだ。

なぜ菅氏は今、進次郎氏擁立の構えを見せ始めたのか。

全国紙政治部記者がその要因を解説する。

「菅氏は、報道機関の世論調査でポスト岸田候補の筆頭と目されている石破氏を手駒に持っている。その石破氏は過去にも地方票集めに強さを見せてきたため、党員・党友が参加して行われる次期総裁選も有利とみられているが、一方では『今でも本当に地方の支持が高いのか』と疑問の声も渦巻いている。国会議員の間で不人気なのは相変わらずで、総裁に就任できてもガバナンス(党内統治)の不安が残るとみられているのです」

各議員は次期衆院選をにらみ、世論調査で支持率の高い石破氏になびいているが、これまで4度も総裁選に出馬している石破氏より、世論調査で2位につけている進次郎氏のほうが「党の刷新感」を演出するには都合がいい。

裏金問題で信頼が地に落ちた自民党を立て直すには、手垢のついた石破氏や河野太郎デジタル相よりも新しい顔が求められているのだ。

しかし、当の進次郎氏は、昨年11月に妻の滝川クリステル氏との間に第2子が誕生したことを理由に、「今は子育て中」と周囲を煙に巻いているという。

また、父親の純一郎元首相は今年5月に「50歳まで総裁選に出さない」と語ったといわれているが…。

「43歳の進次郎氏は、この父親の発言を特段気にするそぶりもないと伝えられている。本人も野心を持っていることは間違いない」(前出・政治部記者)

とはいえ、そんな進次郎氏にも不安材料はある。

「閣僚や党の要職を務めたこともある当選12回の石破氏に対し、進次郎氏は当選5回。閣僚は経験したものの、党の要職に就いたことはなく、決して政策通でもない。無派閥を貫いている点は評価が高いが、いまだ政治経験は少ないと言わざるを得ない」(同)

そのため菅氏が観測気球を上げ、進次郎擁立への自民党議員の反応を見ているというのだ。