桂ざこばがやしきたかじんに激怒!「プロやから話さへんのや!」と吐き捨て…

桂ざこば


通常の全国ニュースでは扱われない、どこかいかがわしく下世話な事件を深掘りすることで、70〜80年代に人気を博したワイドショー『テレビ三面記事 ウィークエンダー』(日本テレビ系)。前口上の「新聞によりますと〜」を記憶している人は多いだろう。

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この番組で毎度のようにトップで登場していたレポーターが、桂ざこば(当時の名跡は桂朝丸)だった。

「こいつがまた悪いヤツなわけだ!」「「もうムチャクチャですわ!」と早口でまくし立て、感情むき出しでどんどん熱を帯びていく。

その威勢の良さから、泉ピン子と並ぶ看板レポーターとして大いに人気を博したものだった。
 
テレビタレントとして活躍する一方、本業である落語のほうの評価も高かった。

人間国宝・桂米朝の直弟子ということで、芸と魂は筋金入り。そこに喜怒哀楽が内面からほとばしるようなしゃべりと、激しめの仕草が加わって独自のスタイルを確立していた。

兄弟子である桂枝雀も、当時の朝丸について「噺のマクラだけでも、落語そのものだ」と高い評価をしていた。

70年代の中ごろには小噺の「動物いじめ」でも人気を呼んだ。

「いろいろと動物をいじめるんですな/キリンをいじめますな/キリンは首が長いですな/そのキリンにアツ〜い餅を食べさせます/長いことアッツいアッツい思いをしますな」

今では考えられないが、このような動物ネタを集めた『朝丸の動物いじめ』と題するEPレコードも発売されている。

1988年には二代目桂ざこばを襲名。ざこばは漢字で「雑魚場、雑喉場」と書き、江戸時代の大阪に実在した鮮魚市場を指す。

その活気あふれるイメージは、いかにも二代目の人柄にふさわしいものだった。

大阪を中心としてテレビやラジオで多くのレギュラー番組を抱え、全国的には95年ごろ放映されたサントリーモルツのCMがよく知られるところであろう。

背広姿のざこばが居酒屋で、テレビの阪神戦に向かって「川藤出さんかぃ!」と叫び、実際に川藤幸三が代打で出てくると「ほんまに出してどないすんねん」と苦笑交じりにビールをあおる。

いかにも大阪の中年サラリーマンらしい役柄を見事に演じていた。