桂ざこばがやしきたかじんに激怒!「プロやから話さへんのや!」と吐き捨て…

一本気な性格にして人情家


その一方、感情そのままでしゃべるタイプなだけに、舌禍事件もたびたび起こしている。

やしきたかじんとはさまざまな番組で共演していたが、88年に2人は一度、疎遠になっている。

ある番組でたかじんの歌の収録などが長引き、全体の進行が90分ほど遅れてしまった。

このとき、たかじんから待っていた他の出演者たちへの謝罪がなかったことに怒り、ざこばは「今日はしゃべらへんで」と宣言。本番中にたかじんが話しかけても、「今日はしゃべらんと言ったやろ」と無視を貫いた。

そんなざこばの態度に対し、たかじんが「おまえ、それでもプロか!」とキレると、ざこばは「プロやから話さへんのや!」と吐き捨てて、席を立つとそのまま帰宅してしまった。

関西テレビ界の雄であり、当時“浪速の視聴率男”と呼ばれたたかじんと仲違いすることは、仕事上で大きなマイナスだったに違いない。

それでも筋の通らないことは許せないのが、ざこばの性分だった。

それ以来、およそ5年にわたって両者の関係は途絶したが、とはいえ怒りや恨みを長く根に持つ性格でもない。

93年にはたかじん司会の番組中で酒を酌み交わして和解。2014年にたかじんが亡くなった際、ざこばは誰よりも大声で泣いていたという。

09年にタレントの北野誠が「不適切発言があった」として無期限謹慎になると、ざこばは自身の出演していたラジオ番組で「何を言うたんや、北野誠!」と疑問を呈しつつ、特定の芸能プロの名前を叫んだ。

まるでその事務所から圧力があったように連想させる行為に、司会を務めていた局アナは凍りついたという。

実際のところ、この件についてはさまざまな説が流布していて、ざこばも何か確信があったわけではなく、噂に聞いたことをそのまま口にしてしまっただけのようだ。

この発言後、ざこばに直接の処分が下されることはなく、関西メディアには相変わらず出続けていたことからも、「問題発言」ということでもなかったのだろう。

だが、関西圏での人気の割に東京でのテレビ出演が少なかったのは、突発的に何を言い出すか分からないざこばの危うさが、一つの理由としてあったのかもしれない。  

「週刊実話」2024年7月18日号より

◆桂ざこば(かつら・ざこば)
1947年9月21日生まれ。大阪府出身。中学卒業後、三代目桂米朝に入門。70年代後半から日本テレビ系『テレビ三面記事 ウィークエンダー』に出演し、全国区の知名度を得る。92年と2003年に「上方お笑い大賞」の大賞を受賞。上方落語協会の理事や相談役を務め、後進の育成に尽力した。2024年6月12日、76歳没。