もちろん、2人とも監督就任に興味を持っていることは間違いない。

岡田監督は「2人とも将来、監督になるならユニホームを着ないとあかん」という意向で、本来なら今年はコーチなどでチームに戻らせて、自分の傍で帝王学を伝授するつもりだった。

ところが、鳥谷は思いのほかタレント活動に興味が出てきたようで、今季も「時期尚早」と入閣を固辞。藤川は「もともと、阪神内部の守旧派勢力が推していた候補」という点がネックになって、入閣は見送られた経緯がある。

「岡田監督としては、早稲田大学の後輩でもある鳥谷が大本命のようで、昨年末には後見役の吉田氏と鳥谷の3人でゴルフ会談をしたことも判明しています。今年のキャンプでも2年連続で臨時コーチに招へいされていますし、このままいけば来季は岡田がもう1年監督を延長して、その間に鳥谷を次期監督に育て上げるということになりそう」（同）

どうやら、これが「辞めるわけにはいかない」発言の真意ということのようだ。

岡田監督に託された「全権」

もっとも、阪神ファンにしてみれば、今年の結果が「勝っても負けても続投」は納得できないだろう。それでなくとも阪神は長年にわたって球団内のゴタゴタ＝お家騒動に悩まされてきた過去がある。

とはいえ、現状の岡田阪神にその心配はなさそうだ。

「岡田監督に球団再建を託した後ろ盾は、親会社である阪急阪神ホールディングスのトップ・角会長ですからね。岡田招へいの際には球団内の守旧派を現場から外して、阪急グループからオーナーを配置したほど。今の阪神はフロントと現場の関係は過去最高に良好で、お家騒動の心配は皆無です」（同）

加えて、レジェンド監督の吉田氏も岡田体制を後押ししており、「確固たる土台を作る意味でも続投をすべき」と岡田監督に要請しているという。

期待に応えて日本一という最高の結果を残したことで岡田監督の続投に障害はない。

「仮に、監督を辞めてもGMのような形で球団には残ることは確実です。事実上、次期監督の人事も指名権も岡田さんに委任されたようなもので、健康問題さえなければ続投は濃厚です」（元阪神球団幹部）

岡田監督は「勝っても負けても監督続投」を潔しとするような人間ではない。世間を黙らせるためにも、今シーズンの巻き返しと「アレンパ」は視界に入っている、ON。