「次期監督の問題ですよ。監督に就任した際、オーナー会社からは二つの要望があったそうです。一つは、もちろんチーム力を充実させてペナント優勝を目指すこと。もう一つは次期監督を育ててバトンタッチすることです」（同）

そして昨年、岡田体制は見事に日本一という結果を残してみせた。残されたミッションは次期監督の育成というわけだ。

「昨オフの阪神は補強に消極的で、FA戦線に見向きもしませんでした。今年1年は現有戦力をじっくり育てて生え抜き中心の土台を作り、そのうえで後任監督が望む戦力補強に資金を回したいという岡田監督の意向だったようです」（在阪放送関係者）

ところが、肝心の後任監督について、いまだにメドが立っていない。つまり、岡田監督は後任監督を育てようにも、その相手が決まっていないというわけだ。

昨オフの段階で岡田監督の後任候補として取り沙汰されていたのは現首脳陣の平田勝男ヘッドコーチ、今岡真訪一軍打撃コーチらの名前だった。

現実的に考えれば、現場でチームを見ている2人は妥当な人選ではあるのだが、実は岡田監督と球団側が〝本命〟に考えている候補は別にいる。

次期監督候補の鳥谷と藤川

「鳥谷敬と藤川球児の2人です。阪神生え抜きのスター選手で人気も実績も申し分ありません」

この2人が後任候補というのは単なる噂話ではない。というのも、一昨年の6月、岡田監督が兵庫県・西宮カントリー倶楽部で、阪急阪神ホールディングス代表取締役会長・角和夫氏と元阪神監督の吉田義男氏の三者会談で監督就任を打診された際、他の候補としてこの2人の名前を聞いているからだ。

岡田監督は自分以外の監督候補としてリストに鳥谷と藤川の名前があるのを見て「ビックリしたわ、お～ん」と率直な胸の内を明かしている。

「ただ、この時点では2人とも阪神の監督就任に乗り気ではなく岡田監督に決まったそうです。鳥谷は2021年、藤川も2020年に現役を引退したばかりで、しばらくは解説者などで外から野球を勉強したいということでした」（前出・スポーツ紙記者）