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日本ハム「Aクラス」諦めた?“台湾球界のスター”と契約で観光流入狙いか

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(画像)mahatmana/Shutterstock

北海道日本ハムが台湾人内野手・王柏融(ワン・ボーロン)と7月30日に支配下登録契約を結んだ。王は台湾球界で打率4割を記録したスター打者だが、日本ハムに入団してからはパッとしない。

守備位置が主力と重複して出場機会はない気もするのだが、なぜ契約したのか。

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日本プロ野球で、一軍で出場できる支配下登録枠は1チーム70人。日本ハムは助っ人投手のガントとメネズとの契約を解除して、支配下に67選手を置いていた。

補強期限が間近に迫る中、王は今季の日本ハムで初めて育成から支配下選手に格上げされる選手となった。

王は2019年から日本ハムでプレー。だが一軍では4年間で打率.235、14本塁打、92打点にとどまっている。2022年は開幕から19打数1安打と悲惨な成績で二軍送りとなった。

今年は育成選手として契約を結んだが、二軍ではここまで48試合出場で打率.221、6本塁打、17打点とイマイチ。それでも二軍では主軸に据える場面も目立ち、チームは期待を持って送り出しているようでもあった。

稲葉篤紀GMは「去年より状態も良くなってきていますし、ある程度一軍の経験もある」と支配下契約の理由を語っている。

昨年打率0割台の打者と契約したワケは…

GMの言葉どおり、昨年より調子がよかったとしても、昨年の一軍での打率は.062だ。日本ハムは外野手が激戦区で、左翼の松本剛と右翼の万波中正はほぼ固定。中堅は江越大賀、五十幡亮汰に、二軍に落ちたが淺間大基も控える。

守備力がさほど高くない王が、戦力に厚みを加えられる存在であるようには思えないのだが…。

「エスコンフィールド北海道を中心とした観光拠点『北海道ボールパークFビレッジ』への来場者定着を図る上で、外国人観光客の流入は欠かせない。ビレッジ内は外国語表記が多く、日本人来場者から日本語表記が少なく困ると苦情が出るほど。王がさほど打つとは思えないが、台湾から観光客を取り込むにうってつけの存在ではある」(野球記者)

一方、投手の育成選手では柿木蓮が6月末まで二軍で防御率0点台と奮闘、福島蓮も防御率2点台で投げている。ここにきて一軍投手陣に綻びが出ている中、柿木らよりも先に王と契約したあたりに、日本ハムの戦略が透けて見えるという。

「最下位に沈むチームはAクラスを事実上諦め、王に最後のチャンスを与えつつ、台湾人観光客の流入でさらに観客動員数の上積みを狙うもくろみでは」(同・記者)

観客が多いに越したことはないが、上位を狙わないとファンは離れてしまう。

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