「国民負担率」上昇は誰の責任か~森永卓郎『経済“千夜一夜”物語』

2月21日、財務省が「国民負担率」を発表した。国民負担率というのは、国民所得に占める租税と社会保障負担の割合だ。国全体で、国民や企業が稼いだお金の何%が税金や社会保険料で持っていかれるのかを示しており、今年度(2022年度)の見込みは47.5%と、ほぼ5割が税金や社会保険料に取られることになっている。この報道を受けてネットの世界では、「五公五民」や「百姓一揆」という言葉がトレンド入りした。江戸中期に年貢米の割合が4割から5割に引き上げられたことで、日本中で一揆が頻発した歴史になぞらえたもの...