『昭和猟奇事件大捜査線』第25回「手掛かりはメモの破片とわずかな所持品 婚約者を殺し消えた男」~ノンフィクションライター・小野一光

「連れの女が疲れて寝ているから、午後6時まで休ませておいてほしい。その分まで会計しときます…」 昭和30年代の夏のこと。東北地方X県にある観光ホテルのフロントに、宿泊している20代の男がやってきてそう口にすると、宿泊代と時間延長分の室料を合わせた4100円を支払い、出て行った。 【関連】『昭和猟奇事件大捜査線』第23回「長女を残して殺された悲劇の未亡人 不倫相手の犯行か?」~ノンフィクションライター・小野一光 ほか 宿帳に書かれていた男の名前は藤枝恭二(仮名、以下同)。住所は関...