「断固として闘う!」田中角栄の事件史外伝『炭管事件と獄中立候補』Part2~政治評論家・小林吉弥

Part1で田中角栄は炭管事件に絡んでの収賄容疑で逮捕、収監されていた葛飾区小菅の東京拘置所の独房で、保釈決定がなかなか下りず、ジリジリしていたと記した。折から、すでに衆院は解散され、総選挙への立候補を「獄中」から表明していた田中だったが、選挙の投票日は日一日と迫るばかりで、あせりにあせっていたのであった。 保釈決定がなかなか下りなかったのは、時のGHQ(連合国軍総司令部)、とりわけ米国の横ヤリが入っていたことにあった。圧倒的多くの国会議員がGHQの意向には恭順の意を示していたのに対し、...