『昭和猟奇事件大捜査線』第16回「家出人捜索願の出された彼女がなぜ?山小屋の女性変死体」~ノンフィクションライター・小野一光

昭和30年代の秋の終わりごろ、北陸地方某県での出来事である。 その日、キノコ採りのため、S町に住む3人の小学生が誘い合って、朝から地元のU山に出掛けていた。 ときおり薄日が射していたのだが、昼が近づくと急に空模様が怪しくなり、にわか雨が降り始めた。 そこで3人のうちリーダー格の須藤順二(仮名、以下同)が、先頭を切って勝手知ったる近くの桃畑に入り込み、その中にある小屋を目指したのである。 【関連】『昭和猟奇事件大捜査線』第15回「“彼女”目当ての客が手をかけたのか? 殺された...