『昭和猟奇事件大捜査線』第14回「眠る幼子のそばで殺害された母、犯人が語った“場違いなエピソード”」~ノンフィクションライター・小野一光

「あんた、なんかお隣がおかしかとやけど…」 昭和30年代の冬のある朝、北部九州にある某県K町で布団店を営む坂口一郎(仮名、以下同)は、こたつで新聞を読んでいるときに、妻からそんな言葉をかけられた。 お隣とは、駄菓子屋兼バスの切符販売を営んでいる諸岡家のこと。夫が結核のため数年前から入院し、幼児を抱えた妻の諸岡由紀恵(30)が、普段ならば店に出ているはずだ。 【関連】『昭和猟奇事件大捜査線』第13回「雪の中で息絶えた元保険外交員女性 自殺か事故死か、それとも…」~ノンフィクション...