『昭和猟奇事件大捜査線』第12回「妻子も愛人もいるやり手の夫が、なぜ? 車とともに消えた男」~ノンフィクションライター・小野一光

「車を車庫に入れてくるから――」 そう口にしたあの人が、帰って来ない。 佐藤瑠衣子(31=仮名、以下同)は、さっきまで一緒だった合田勇作が、家に戻って来ないことに不安を感じていた。 昭和40年代の愛知県某市での出来事である。 【関連】『昭和猟奇事件大捜査線』第11回「モテない男の“ひがみ”が動機なのか?山の中での連続殺人」~ノンフィクションライター・小野一光 ほか 当時38歳で会社を経営する勇作には妻がいた。だが、行きつけのバーで出会った瑠衣子に一目惚れし、熱心に口説い...