『昭和猟奇事件大捜査線』第11回「モテない男の“ひがみ”が動機なのか?山の中での連続殺人」~ノンフィクションライター・小野一光

「助けてくれ!」 午後8時30分頃、10代後半と思しき若い男がそううめくと、乾物屋の渡辺文彦さん(仮名、以下同)宅の玄関に飛び込んできた。 昭和30年代の梅雨時、埼玉県O市でのことだ。 声を聞いた渡辺さんが慌てて玄関先に行くと、男は背中を刺されたのか、シャツの後ろが血まみれになっている。うわごとのようにつぶやく男の言葉を聞き取った渡辺さんは、すぐに110番を入れた。 【関連】『昭和猟奇事件大捜査線』第10回「業火に包まれた美貌の妻と2人の子 殺ったのは誰だ!?」~ノンフィク...