『玉電松原物語』(新潮社:坪内祐三 本体価格1700円)~本好きのリビドー/悦楽の1冊

何かに対して「ずっと見続けていられる」という言い回しは、いつから定着した誉め言葉だろう。ここ最近のような気がするが、その伝でゆけば今年1月に急逝した坪内祐三は、筆者にとって紛れもなく「ずっと読み続けていられる」文章の書き手だった。 【関連】『承認欲求女子図鑑 SNSで出会ったヤバい女子たち』(三才ブックス/本体価格1300円)~本好きのリビドー昇天の1冊 ほか 『雑読系』や『四百字十一枚』あるいは『文庫本を狙え!』に始まる一連の文庫本シリーズなど、数々の書評集で紹介される地味で渋目な本...