『昭和猟奇事件大捜査線』第1回「犬神家の一族を彷彿とさせる“川から白い足”の死体」~ノンフィクションライター・小野一光

「川に浮かんだ布団袋から人間の足が出とるんです」 昭和30年代の夏のある日、福岡県警に110番通報が入った。K町を流れるK川で、麻縄で縛られた布団袋が浮いているのに気付いた農家の田崎義男さん(仮名、以下同)が、袋の破れ目から、人間の白い足が出ているのを見たという。 【関連】短期集中連載『色街のいま』最終回「沖縄・真栄原と吉原」~ノンフィクション作家・八木澤高明ほか 通報を受け、K署の係員が現場に急行したが、豪雨によって川の流れが早く、すでにその場から布団袋は下流に流されていた。...