短期集中連載『色街のいま』第5回「大阪・今里新地」~ノンフィクション作家・八木澤高明

近鉄今里駅前。目抜き通りには大きなたこ焼き屋があって、地元の人には見慣れた景色なのかもしれないが、私は大阪に来たことを実感していた。 そこから10分ほどかけてゆっくり歩いていくと、薄暗い通りに、ぼんやりと明かりが灯っているのが見えた。 【関連】短期集中連載『色街のいま』第4回「尼崎・かんなみ新地」~ノンフィクション作家・八木澤高明 ほか その明かりとは、営業している今里新地の「茶屋」のものだ。 茶屋と呼ばれるのは、今里新地は昭和のはじめ、芸者が芸を売る花街として誕生したから...