貴景勝“一人大関”順当優勝のウラで11月場所を沸かせた幕尻の星

新型コロナ禍のため、会場を九州の福岡市から東京の両国国技館に移した11月場所は、優勝決定戦の末に大関・貴景勝が、小結の照ノ富士を押し出し、2年ぶり2回目の優勝を果たした。大関としては平成29年初場所の稀勢の里以来、4年ぶりだった。 「大関に上がってから、あまりいいことがなかった。精神的にも、もうひと踏ん張りしないといけないと思っていた。こういう結果で終われたことを本当にうれしく思う」 優勝インタビューで、貴景勝は感激のあまり唇を小刻みに震わせたが、白鵬、鶴竜、さらに朝乃山、正代――横綱...