『ドタバタ関ケ原』(柏書房:長谷川ヨシテル=れきしクン 本体価格1500円)~本好きのリビドー/悦楽の1冊

80年代初頭。司馬遼太郎の『関ケ原』がTBSの新春特番でドラマ化された折、いよいよ決戦本番を描く第三部のタイトルは〝男たちの祭り〟だった。 もっともこれは原作ではなく早坂暁による脚本のお手柄だが、今にして思えば言い得て妙。確かに歴史好きにとって関ケ原は永遠の祭り、汲めども尽きぬ美酒の泉に他ならない。 歌舞伎や講談、浪曲の世界で長い年月をかけてAKR47=赤穂浪士四十七人が『忠臣蔵』の本筋から離れて、〝外伝〟あるいは〝銘々伝〟と題され、大石内蔵助をセンターもとい先頭に、メンバー各々の物語...