「100万円のワイロ」田中角栄の事件史外伝『炭管事件と獄中立候補』Part4~政治評論家・小林吉弥

「何がなんだか分からないうちに、スケジュール表からお抱え芸者衆の花代の伝票まで、商売に関わる書類という書類、それに個人的なメモ帳まで、根こそぎ押収されてしまいました。おかあさん(女将)と私も、改めて事情聴取に呼ばれました。獄中で『金満津』が捜索を受けたことを聞いたおとうさん(田中角栄)は、『女、子どもを調べて何が分かるんだ!』と大変に怒ったそうです」 事業で成功、一方で代議士1年生となった田中角栄は当時、東京の花街・神楽坂に通っていた。置屋「金満津」のお抱え芸者だった「円弥」すなわち、の...