作家・五味康祐“戦術書もベストセラーの雀豪”~灘麻太郎『昭和麻雀群像伝』

1952(昭和27)年に短編小説『喪神』で芥川賞を受賞した五味康祐が、剣豪作家として注目を集める契機になったのは『週刊新潮』の創刊であった。 【関連】司会者・玉置宏“大スターと対峙して磨いた洞察力”~灘麻太郎『昭和麻雀群像伝』 ほか 56年2月に創刊した『週刊新潮』は、連載小説の目玉として、五味康祐の『柳生武芸帳』と柴田錬三郎の『眠狂四郎無頼控』の2作を同時に連載。これが爆発的な人気を呼んだ。 また、五味は雀豪作家の開祖として、64年に『暗い金曜日の麻雀』を発表。文中に初めて「...