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『信用』著者:入江慎也~話題の1冊☆著者インタビュー

『信用』新潮社
『信用』新潮社

『信用』新潮社/1540円

入江慎也(いりえ・しんや)
1977年、東京都出身。高校の同級生である矢部太郎とともに『カラテカ』を結成。2019年6月、いわゆる「闇営業」問題で吉本興業から契約解除。2020年、清掃業の株式会社ピカピカを立ち上げる。

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――「友達5000人芸人」と呼ばれた入江さんですが、どのように人脈を広げてきたのですか?

入江 当時はとにかく人に誘われたらどこでも会いに行きました。朝活、ランチ、夜会食とさまざまな場所に顔を出しましたね。友達からも、とにかく色々な人を紹介してもらいました。そうして知り合った方々とのお付き合いの中から講演を依頼されるようになり、2015年に株式会社イリエコネクションを設立したんです。芸人を続けていくために起業したのに、まさか芸人を続けられなくなるとは夢にも思っていませんでした。

――〝闇営業〟が発覚し、吉本興業から契約解除されました。当時はどのような気持ちでしたか?

入江 もう何も考えられなくて、人生終わったと思いました。先が真っ暗で何も見えず、ただただ、怖かったです。沢山の方の人生を変えてしまったという思いもあり、自分だけだったらどんなに楽だったことかと思いました。騒動に巻き込んでしまった宮迫博之さんは、「なんで入江だけクビやねん!」「守ってやれなくてスマン」と何度も謝ってくれました。

周りに支えていただいていると実感

――芸人を辞めた後、清掃業を始めたのはなぜですか?

入江 進むべき道が分からず時間ばかりあるので、ずっと部屋の掃除をしていたのですが、そのときに気持ちの切り替えができて、もしかしたら清掃業に向いているかなぁと思ったのがきっかけでした。最初にアルバイトを1年したのですが、42歳だった僕のプライドがめちゃくちゃ邪魔をしました。特に作業着の姿を後輩には見られたくはありませんでしたね。でも、清掃業を始めたことで、また新しい沢山の出会いがありました。1人で生きているのではない、支えていただいているんだと思うと、どれほど周りの方に恵まれているのか実感せざるを得ませんでしたね。

――相方の矢部太郎さんとの関係に変化はありましたか?

入江 矢部とは、むしろ芸人を辞めてからの方がたくさん話すようになりましたね。なんだか高校時代に戻った感じでした。

――今後の目標を教えて下さい。

入江 スタッフみんなが誇りを持った清掃員になってほしいですね。そしてピカピカ支店を47都道府県に作りたいです。僕自身、まだ今の人生が最高と胸を張っては言えないので、いつの日か、あの経験があったから今があるという人生にしたいです。そしてまた『カラテカ』でライブができたらいいなぁと考えています。

(聞き手/程原ケン)

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