(画像)Salma Bashir Motiwala/Shutterstock
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北朝鮮国民42%が栄養失調も「金一族」は贅沢三昧…愛娘はディオールのコート着用

米韓および日韓の連携に対して、北朝鮮は常に過剰な反応を示してきた。最近では3月13日から同23日まで実施された米韓合同軍事演習『フリーダム・シールド(自由の盾)』に強く反発し、軍事的挑発行動を繰り返している。3月に入って北朝鮮が発射したミサイルは15発以上に及ぶ。


3月16日には韓国の尹錫悦大統領が訪日し、岸田文雄首相と日韓首脳会談に臨んだが、同日午前7時9分ごろにも、北朝鮮は平壌近郊から1発の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を東方向に向けて発射した。


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通常より高い角度で打ち上げ、飛距離を抑える「ロフテッド軌道」で発射されたミサイルは、70分ほど飛翔した後、北海道の渡島大島の西方約200キロの日本海に落下したと推定される。


北朝鮮の国営メディアは翌17日、朝鮮労働党中央軍事委員会の指示で16日にICBM『火星17号』の発射訓練が行われ、金正恩党総書記が現地で指導したと報道。正恩氏が娘の金主愛とともに『火星17号』の推進体が切り離される様子を見守り、ミサイル部隊の臨戦態勢と信頼性が確認されたと伝えた。


正恩氏は結果に「大きな満足」を示し、米韓に演習を行うことの無謀さを「引き続き認識させる」と表明。より強力な対抗措置を続けると予告した。


「もはや父の軍事活動に娘が同行することが、当たり前のようになってきました。ただ、地方での経済活動や現地指導に同行する姿は報道されていません。このことから後継者として断定するのは時期尚早と思われます」(北朝鮮ウオッチャー)

穀倉地帯であれ餓死者が…

米国の中央情報局(CIA)が3月21日に公開した『ザ・ワールド・ファクトブック』の中で、北朝鮮の兵役期間が男性は最長10年、女性は最長8年になったことが判明した。昨年の同書では男性が7〜8年となっており、これに比べると2〜3年ほど延長されたことになる。

「もともと男性は9〜10年、女性は6〜7年でしたが、2021年にいったん短縮され、再び延長されたようです。10年にも及ぶ兵役は世界一の長さで、ギネスブックものですよ」(同)


もっとも、短縮時も兵役期間を終えた若者を故郷へ帰さず、農村や炭鉱に「集団配置」して酷使していた。そして再延長された現在も、後半の3年間は農村で働かされるという。なぜなら、北朝鮮の農村が度重なる水害や干ばつで、壊滅状態に陥っているからだ。


3月9日、国連北朝鮮人権特別報告官が、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に提出したレポートによると、北朝鮮では食糧難が深刻になり、全人口の約42%が栄養失調に苦しんでいることが把握された。19年以降、大半の家庭で1日3食を食べることが困難になり、穀倉地帯でさえ餓死者が出ているという報告もある。


しかし、金一族の「尊敬されるお子様」である主愛は、国民の貧困などまったく預かり知らないようで、公開された写真から約1900ドル(約25万円)もするクリスチャン・ディオールのコートを着ていることが分かった。同国では法外な贅沢品である。


「食糧難が深刻化している中、高級時計や衣類、アクセサリーなどの贅沢品は北朝鮮に対する制裁品目ですが、朝鮮労働党の高位幹部、いわゆる〝赤い貴族〟によって贅沢品の消費は続いています。正恩氏の妻、李雪主夫人もティファニーのネックレスを着け、グッチやベルサーチのワンピースで着飾っている姿をたびたび目撃されています」(国際ジャーナリスト)

やはり“核”がキーポイント

20年10月10日、正恩氏は党創建75周年記念軍事パレードで、涙ながらに「一緒に災難を乗り越えよう」と演説した。国民を愛する指導者として一席ぶったわけだが、1万ドル(約130万円)もするスイスIWC社の高級腕時計『ポートフィノ・オートマティック』を着用していたため、海外メディアから大批判が起きたことは記憶に新しい。

ただ、これみよがしに制裁品目を見せつけるのは、国際社会に向けて「制裁は通用しない」というメッセージを送っているとの見方もある。


金一族が独裁体制を維持し、北朝鮮を「永続支配」するためのキーポイントが「核」である。それを内外にアピールするのが、主愛を伴うミサイル発射訓練の視察かもしれない。


「ロシアのプーチン大統領がウクライナに侵攻し、核攻撃という脅しで外部からの介入を防いでいるように、正恩氏が核をチラつかせながら、韓国に侵攻する可能性はゼロではない。しかし、ロシアが非核国のウクライナに苦戦しているように、朝鮮半島有事を起こし、通常戦争を仕掛けたとしても、正恩氏による核の脅しが役に立たないこともあり得ます」(軍事ライター)


まだ歴史は核による脅しや恫喝が、功を奏するかを証明していない。