(画像)Shaun in Japan / shutterstock
(画像)Shaun in Japan / shutterstock

まさかの太陽光パネル設置義務化で危惧される“補助金争奪戦”

3月17日、川崎市議会は戸建てを含む新築建物に太陽光パネルの設置を原則義務付ける条例案を可決した。


太陽光パネルの戸建て住宅への設置義務化は、昨年12月の東京都の条例可決に次ぐ全国2例目。新条例では日当たりの悪い住宅や狭小住宅を除き、延べ床面積2000平方メートル以上の新増築建築物については建築主が、それ未満については施工業者が設置義務を課せられることになる。ところが、全国的にも早い条例の制定に、市民からは批判の声が上がっているのだ。


【関連】小池都知事、都内で“樹木伐採”1万本強!? うごめく『東京五輪』『太陽光パネル』の闇 ほか

社会部記者が言う。


「川崎市は政令指定都市で温暖化ガス排出量が多いため設置義務化したというが、家庭からの排出量は全体の1割未満。産業部門の排出削減が急務との声も多い。また、施行日が東京都と同じ2025年4月で、明らかに小池百合子東京都知事に便乗したパフォーマンスと評判なのです」

設置や修繕などに補償もない

また、導入コストの高い太陽光パネルの設置、電気の蓄電施設には補助金が出るものの、これにも思わぬ落とし穴があるという。

「東京都と川崎市の両方に言えることですが、例えば蓄電池を設置しても2階以上に風呂場がある場合は水をくみ上げるポンプが必要。しかし、現段階ではこのポンプの補助金までは出ない方向。太陽光パネルの火災リスクや経年劣化、修繕に対する具体案もなく、行けば分かるさを地で行く無謀さなのです」(市政関係者)


ちなみに、補助金は川崎市が建築主に、東京都は大手住宅メーカーに支払われるが、この仕組みも非難の的になっているという。


「東京都は設置義務化を建築主ではなく都内の大手住宅メーカーを対象にしたが、補助金目当てのメーカーが私腹を肥やす恐れがある。川崎市にしても、個人を狙った詐欺まがいの勧誘が出始めているといいます」


太陽光パネルの設置義務化は今後、補助金の草刈り場になりそうだ。