『性産業“裏”偉人伝』第4回/伝説のソープランド講師~ノンフィクションライター・八木澤高明
少し興奮気味に語るのは、10年以上にわたって、ソープランドで働いてきた、かな子である。
【関連】『性産業“裏”偉人伝』第3回/障害者のセックスパートナー~ノンフィクションライター・八木澤高明 ほか
彼女が語る異次元の気持ち良さというのは、ソープランドで働き始めて5年ほどが過ぎた頃に受けた、マットプレイ講習に関することである。
ソープランドでは、主に新人のソープ嬢に対して、挨拶の仕方から始まり、サービスの肝とも言える客とのマットプレイのやり方などについて、講習が行われることが一般的だ。
講師は、スタッフの男性が務めることもあれば、経験豊富なソープ嬢が務めることもある。かな子の講師は元ソープ嬢の女性だった。
かな子はベテランの域に差し掛かるソープ嬢ということもあり、講習を受けるのは、二度目だった。
「新人のときに講習は受けていますし、ソープ嬢としての経験も積んでいたので、『講習どう?』って言われても、乗り気じゃなかったんです。こっちもプライドはありますし、何度も断っていたんですけど、一度受けたら誘われることもないかなと思って受けたんです」
何の期待もせずに受けた講習は、マットプレイの概念を覆すものだった。
常に指と足が動き、一カ所に留まることなく、水のように流れていく。だからといって、あっさりとしているわけではなく、常に体のどこかを刺激し続けていて、これまで経験したことのない快感だった。
これまで、5000人以上の男たちを相手にしてきたソープ嬢のかな子をして仰天させた講師の名前は、美鈴という。年齢は40代なのだが、肌には艶があって、年齢よりはかなり若く見える。
講師として10年近い経験がある美鈴だが、現役のソープ嬢を驚かすテクニックはどのようにして生まれたのだろうか。
「型にはめないということですね。いつも決まったパターンでやるのはダメですね。人によっても変えます。常連のお客さんなら、その日の雰囲気とかで、舐める場所を変えたりします。決まりを作らないで、変幻自在にやることです」
美鈴は、プレイの内容以上に、客とのコミュニケーションが重要だという。
「せっかくお店に来ていただいたので、楽しんで帰ってもらいたいんです。嫌なお客さんも必ずいるものなんですけど、嫌だ嫌だと思わないで、『必ず何か、一個でいいんで良いところを見つけてあげてね』と女の子には言います。そうすると、少しは気が楽になって、向こうに伝わりますね」
以前、何人かのソープ嬢に取材したことがあったが、プレイの内容もさることながら、客に真摯に向き合うことが大事だと言っていたことを思い出した。一流のソープ嬢は誰しも同じことを考えている。
「ソープランドで、短い時間ですが、お客様に心も体も寄り添うことは、いずれこの仕事を辞めて、別の仕事をする上でも役に立つことだと私は思っているんですよ」
驚異のリピート率100%を達成!
美鈴が講師を任されるようになったのは、彼女の心がけと仕事ぶりが店に評価されてのことだった。彼女の名は今でも店で伝説となっているのだが、その由来はリピート率100%を記録したことにあった。一度、彼女の接客を経験してしまうと、客は必ず戻って来たという。
そんな美鈴がソープ嬢になったのは、23歳のときだった。
「高収入の仕事がしたいと思って仕事を探していたら、目に止まったのがソープだったんです。興味があったので、それまで風俗で働いたことはなかったですが、始めてみたんです」
ソープランドの仕事は、彼女の水に合い、なんの不満も感じなかった。
ただ、大きな問題となったのは、社長の存在だった。
「毎日セクハラされたんです。昼も夜も食事に付き合わされて、体を求められたり…。当時は、嫌われたら仕事ができなくなるかと思って拒めなかったんです」
なんとか社長のセクハラから逃れようと、彼女なりに努力したことがあった。それは、一人でも多く客を取ることだった。
「お客さんの予約が入れば、社長からは逃げることができたんです。嫌すぎて、閃いた感じですかね。そのために努力しましたね。本当にセクハラが嫌だったから必死でした」
禍を力に変えることが、ソープで働くことの原動力となった。
「まずは、ソープという空間を取っ払って、恋人でも奥さんでもないですから、世の中のしがらみから抜けて、ただの男と女になるということを心がけました。高いお金を払って来てくださっているわけですけど、接し方によって、安いと思わせたかったんです」
彼女はセクハラ社長のいるソープに10年勤めた。一度、ソープを辞めて昼間の仕事をしていたが、セクハラ社長がいなくなると、「接客術を伝えて欲しい」と、講師として呼び戻されたのだった。
これまで、500人ほどの女性たちに彼女が培ったものを伝えてきた。長年、講師をしてきたが、働く女性たちも変化しているという。
「昔はホスト通いをして、借金を返すために働く子が多かったですけど、最近はお金のためじゃなくて、楽しいから働くという女性が増えましたね。そこが大きな変化です」
ただ、接客術というのは普遍のもので、彼女の教えというものは、脈々と受け継がれていくことだろう。
八木澤高明(やぎさわ・たかあき) 神奈川県横浜市出身。写真週刊誌勤務を経てフリーに。『マオキッズ毛沢東のこどもたちを巡る旅』で第19回 小学館ノンフィクション大賞の優秀賞を受賞。著書多数。
合わせて読みたい
-

水卜麻美アナが日テレ退社へ 夫・中村倫也の説得で『24時間テレビ』が花道に?
2025.05.11 芸能 -

ゴジラ松井が長嶋茂雄さんの遺言「巨人監督」をためらう障害
2025.11.24 スポーツ -

中居醜聞で「女子アナ王国」崩壊! フジテレビに巻き起こる宮司アナ“長澤まさみ化”と佐々木アナ現場復帰待望論
2025.12.13 芸能 -

今田美桜の事務所に3億円訴訟!“芸能界のドン”激怒で活動危機か
2025.12.08 芸能 -

【深淵ホラー劇場:映画界が封印した『G級の神々』】#3
2025.12.12 エンタメ -

雛形あきこ年下のイケメンマネジャーと車内で…「揺れる送迎車」記事で離婚【美女たちの不倫履歴書41】
2024.01.03 芸能 -

「パパ活はスキマバイト」と言い放つ極悪54歳が女子大生に性的行為強要の悪質実態
2025.12.13 -

長濱ねる結婚か 8年ぶりセクシー写真集のウラに見え隠れする魂胆
2025.07.17 芸能 -

巨人が“韓国の至宝”キム・ハソンを極秘獲得へ 異例の李承燁コーチ招聘は布石だった!
2025.12.13 スポーツ -

巨人に「暗黒時代」の足音!…若手捕手が移籍直訴の異常事態と戦力低下、コーチ人事…内部分裂寸前
2025.11.25 スポーツ
合わせて読みたい
-

水卜麻美アナが日テレ退社へ 夫・中村倫也の説得で『24時間テレビ』が花道に?
2025.05.11 芸能 -

ゴジラ松井が長嶋茂雄さんの遺言「巨人監督」をためらう障害
2025.11.24 スポーツ -

中居醜聞で「女子アナ王国」崩壊! フジテレビに巻き起こる宮司アナ“長澤まさみ化”と佐々木アナ現場復帰待望論
2025.12.13 芸能 -

今田美桜の事務所に3億円訴訟!“芸能界のドン”激怒で活動危機か
2025.12.08 芸能 -

【深淵ホラー劇場:映画界が封印した『G級の神々』】#3
2025.12.12 エンタメ -

雛形あきこ年下のイケメンマネジャーと車内で…「揺れる送迎車」記事で離婚【美女たちの不倫履歴書41】
2024.01.03 芸能 -

「パパ活はスキマバイト」と言い放つ極悪54歳が女子大生に性的行為強要の悪質実態
2025.12.13 -

長濱ねる結婚か 8年ぶりセクシー写真集のウラに見え隠れする魂胆
2025.07.17 芸能 -

巨人が“韓国の至宝”キム・ハソンを極秘獲得へ 異例の李承燁コーチ招聘は布石だった!
2025.12.13 スポーツ -

巨人に「暗黒時代」の足音!…若手捕手が移籍直訴の異常事態と戦力低下、コーチ人事…内部分裂寸前
2025.11.25 スポーツ