(画像)Pavel1964 / shutterstock
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「大間のマグロ」ヤミ漁獲で“漁業法違反”逮捕者相次ぐ…氷山の一角か

「2月に青森県大間町の水産物卸業者の社長2人が、漁師22人らと共謀してクロマグロ漁獲量の一部を県に報告しない漁業法(漁獲報告義務)違反容疑で県警に逮捕・書類送検された。無報告の漁獲量は98トンに上るとして捜査を進めていました」(全国紙社会部記者)


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3月10日、青森地検はこの社長2人を同地裁に漁業法違反で起訴。また同日、書類送検された漁師22人と1法人も同違反で略式起訴された。


「日本は魚の乱獲に厳しい海外の環境団体などから非難され、長らく漁獲抑制に取り組んできた。乱獲でマグロが減れば、そのツケは大間の漁師だけの問題ではなくなる。それだけに漁獲報告が必要なんですが、地元の東奥日報が『大間マグロ漁獲無報告 一部が脇売り』(2021年11月5日付)とスクープしたことで、大間マグロのヤミ漁獲が発覚した」(漁業ライター)

ヤミ漁するのは仕方ない!?

脇売りとは、漁師が所属する漁協を通さず出荷すること。ただ、脇売りの出荷方法自体は違法ではなく、漁協にその取引を報告していれば問題はない。今回の事件は、脇売りした大間の漁師たちが、マグロの漁獲を青森県側に報告しなかったため逮捕されたわけだ。

「未報告は違法なヤミ漁獲に当たる。大間マグロのヤミ漁獲が発覚した発端は、2021年9月に静岡県中央卸売市場で青森県産のクロマグロが約28トンも取り扱われていたこと。そのほとんどが大間産でした。同月の東京・豊洲市場で扱った青森県産のクロマグロが60トンですから、地方の市場で28トンというのはいかにも多すぎる。しかも、静岡では豊洲の半分以下の値段で取引されていた」(同)


ヤミ漁について、大間町で取材した関係者が語る。


「大間の漁師は毎年、テレビで紹介されて裕福なように思われがちですが、漁船のローンも抱えていますからね。県から与えられたマグロの漁獲枠だけでは、なかなか食べていけないのが実情です。〝だからヤミ漁するのは仕方ない〟という声が多かった。それに〝今回の事件は氷山の一角〟と話す漁師もいましたよ」


ヤミ漁は、なくならない。